オブジェクトの作成方法は1つではなく、複数の方法があることを前回紹介しました。
今回はIllustratorで5つの方法を使って矢印を作成してみます。
出来上がる矢印は同じ形であってもいろいろな作成方法があり、方法を知っておくことで矢印以外のオブジェクト作成時にも応用できるので便利です。
矢印の作成方法については過去にもイラストレーターで矢印を作る【Illustrator CC】という記事やイラストレーターで矢印を作るを掲載しました。
今回は複数の作成方法で矢印を作り、いろいろなオブジェクトを作る際のヒントになればと思います。
線パネルを使用して矢印を作成する
まず1つ目の方法は線パネルを使用して矢印を作成する比較的オーソドックスな方法です。
ペンツールでShiftを押しながらドラッグして直線を引きます。
引いた直線を選択した状態で「線パネル」の下のほうに「矢印」という項目があるのでクリックします。
クリックするといろいろな種類の矢印が表示されます。この中からお好みの矢印を選びます。今回は矢印7を選択してみました。
パスが矢印になりました。しかし矢印の先端が大きすぎてかなりバランスが悪いので調整しようと思います。
「線パネル」の「矢印」の項目の下に「倍率」があります。今回矢印の先端部分が大きすぎるので左側の倍率を下げてみます。
倍率を45%にしました。これで矢印のバランスがよくなりました。
矢印の完成です。
※ なおこの方法についてさらに詳しい説明については「イラストレーターで矢印を作る【Illustrator CC】」を御覧ください。
多角形ツールで矢印を作成する
2つ目は多角形ツールを使用する方法です。
まず多角形ツールを選び画面の適当な場所をクリックします。(多角形ツールはツールボックスにある六角形のマークです。長方形や楕円のマークになってる場合もありますのでその場合は長押しで切り替えます)
多角形の辺の数が設定できます。今回はまず辺の数を3にして三角形を作成してみようとおもいます。
画面上に三角形のオブジェクトが作成できました。
次に長方形のオブジェクトを作成してみます。
多角形ツールを長方形ツールに切り替えて選択します。画面内のどこかをクリックして数値を入れる、もしくは画面をドラッグして適当に四角を作成します。
今回はそのままOKして適当に正方形を作成してみました。
四角のオブジェクトは、矢印の棒の部分にするために作成しました。なので正方形だとバランスが悪いため長方形にしようと思います。選択ツールで四角形の幅を適当に縮めて長方形にしました。
三角と長方形のオブジェクトをドラッグして重ねます。重ねるとなんとなく矢印っぽくなりました。ただ適当に重ねただけなので矢印の中心がズレているので、中心に揃えてバランスのよい矢印にします。
三角と長方形の両方を選択した状態で「整列パネル」の「水平方向中央に整列」をクリックします。
三角と四角の中心が揃いました。
矢印の完成です。
ただ今の状態ですと三角形と長方形が別々のオブジェクトで重なってるだけなのでちょっとしたミスでドラッグしてズレてしまう可能性があるので作成後はグループ化しておいたほうが良いでしょう。
三角形と長方形のオブジェクトを両方選択して上部メニューから「オブジェクト」→「グループ」を選びます。
三角形と長方形のオブジェクトがグループ化されました。
なおグループ化した矢印ではなく、三角形部分と長方形部分を一体化して矢印の形のオブジェクトにしたい場合(アウトライン)は、パスファインダーを使用して合体させます。
パスファインダーの「合体」を選びます。するとアウトライン化された矢印の形にすることが出来ます。
パスファインダーの型抜きで矢印を作成してみる
3つめの矢印を作成する方法は普段あまり使用しないような方法を使ってみます。
多角形ツールで三角形のオブジェクトを作成します。
今度は長方形ツールで正方形オブジェクトを2つ作成しました。
2つの正方形を水平に揃えます。揃ってない場合は整列パネルでオブジェクトの整列をします。
つぎに最初に作った三角形を2つの四角の間に重ねます。
このとき、四角のほうが少し下にはみ出るようにします。
3つのオブジェクトを選択した状態で、整列パネルの「水平方向中央に分布」をクリックします。
すると、四角と三角が同じ間隔で水平に並びます。
3つのオブジェクトを選択した状態でパスファインダーの「前面オブジェクトで型抜き」をします。
※このとき後に作成した四角2つが前面、先に作成した三角が背面となっています。
三角形が四角形2つで型抜きされて矢印になりました。
矢印の完成です。
ブラシの種類から矢印を選んで作成してみる
4つ目はブラシの種類で矢印を選んで使用します。
ブラシパレットの右上をクリックします。
「ブラシライブラリを開く」→「矢印」→「矢印_標準」を選びます。
「矢印_標準」のパレットが表示されました。
パレットからお好みの矢印を選び、ツールボックスからブラシを選びます。
ブラシでShiftを押しながらドラッグすると直線の矢印が引けます
もちろん、ドラッグして直線以外にもさまざまな矢印を描くことができます。
ちなみにブラシを普通の線にしたい場合はブラシパレットの「基本」を選びます。
普通の線になりました。
線幅を調整して矢印を作成する
5つめは線幅を調整して矢印を作成する方法です。
まず、ペンツールでパスを引きます。
少し太めの線幅の直線にしました。
ツールパネルから線幅ツールを選びます。
線幅ツールを使用すると線幅を部分的に太くしたり細くしたり調整できます。
線の上の適当な箇所でドラッグすると線幅ポイントができて太さを変化させることが可能です。
今回は右寄りの箇所を上にドラッグしました。結果、線幅ポイントが上下に拡がり、上のような線になります。
今度は右側先端を尖らせようと思います。
線幅ツールで先端に触れると、線幅ポイントが表示されます。今度は上にある線幅ポイントを下(中心)にむけてドラッグします。
ドラッグできる限界までドラッグします。すると線幅ポイントが中心で止まり先端が尖った状態になりました。
次に逆側(左側)の先端に触れて、ポイントを右にドラッグします。
ドラッグすると線が細くなっていきますが、そのままドラッグできる限界まで右側に向けてドラッグしていきます。
すると、1個右の線幅ポイントと重なった位置で限界となります。
これで矢印の形になりました。
このように線幅ツールで矢印を作成することもできます。
さいごに
3つめのパスファインダーで型抜きする方法は矢印を作成するには面倒で使うことはないかもしれません。
しかし、いろいろな形のオブジェクトを作成するときの考え方として結構応用できます。
考え方として、1つ目の矢印作成は、パスを矢印にする方法、2つ目はオブジェクトを足して矢印にする方法、3つ目はオブジェクトから要らない部分を型抜きする方法、4つ目はブラシの種類で矢印にする方法、5つ目は線幅を調整して矢印にする方法となります。
完成品はすべて矢印形のオブジェクトで同じ形なのですが、オブジェクトを作成する際、複数の作成方法があるという事を知っているとさまざまな場面で応用ができて大変便利です。
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