以前、イラストレーターのアウトライン化の記事をいくつか更新したのですが、もう少し詳しく書いてみようかと思います。
アウトライン化関連の以前の記事
- 文字を変形させたりグラデーションにしたりするには?
- 文字をアウトライン化する
- 文字にグラデーションを付ける方法
- 印刷に出す時に注意する点 vol.2
- イラストレーターの文字をグラデーションにする
- 文字をアウトライン化しないでグラデーションをかける(Illustrator 9以降)
- イラストレーターのアウトライン解除
アウトライン化によって、外側のライン(輪郭)をパスとしたオブジェクトにします。
塗りと線で出来たオブジェクトをアウトライン化してみる
普通に、パスで図形を作った場合(例えば四角や星形、円など)、もうすでにパスで作られている状態なのですが、図形に線を付けた場合はどうでしょうか?
ピンクの塗りの四角に水色の線を付けてみました。
アップして見ると解りやすいですが、水色の線は、パスを中心にして内側と外側に広がっているのが解ります。
線の付いた図形を選択した状態で、メニューの「オブジェクト」から「パス」→「パスのアウトライン」をクリックすると、パスがアウトライン化されます。
アウトライン化された図形をアップで見ると先ほどと違い、線の外側と内側がパスになってる事がわかります。
さらに、図形を掴んでドラッグしてみると、線と塗りがバラバラになりました。アウトライン化した為に、枠と四角という2つの図形になったためです。
こうなると、先ほどまで「線」扱いだった部分は、枠の形をしたオブジェクト(塗りのみ、線なし)なので、オブジェクトとしてグラデーションをかけたり、パスファインダを使った加工等、いろいろな加工も可能です。
文字をアウトライン化してみる
文字は、オブジェクトと違い、PCに入ってるフォントから使いたい書体のものを選んで表示させます。
文字をアウトライン化する事で、パスで出来たオブジェクトとして扱う事が可能となります。
ただ、文字をアウトライン化すると、オブジェクトとして扱えるのでいろんな加工ができたりするメリットはありますが、以前の様に文字として扱う事はできなくなるので要注意です。
つまり、文字として訂正する、文字のフォント数をあげて大きくする、フォントの種類を変える、段落設定する、詰めを入れる、その他もろもろの文字としての扱いが出来なくなるというデメリットがあります。
試しに、文字をアウトライン化してみる
「考えてみた」という文字を打ってアウトライン化してみようと思います。
上は「考えてみた」を黒いポインタで選択した状態です。
メニューの「文字」から「アウトラインを作成」をクリックし、文字をアウトライン化します。
文字がアウトライン化されました。
「考えてみた」の外側が青色になっているかと思います。
これは、アウトライン化により、外側がパスで出来ているのがわかりやすく表現されています。
ちょっと、「考」の文字をアップして見てみます。
文字の外側に青いラインが引かれているのが解ります。
アウトライン化で、文字がパスで出来たオブジェクトに変わりました。
オブジェクトに変わったので、白ポインタでパスを引っ張ってこんな加工をすることも可能です。
パスファインダを使った加工も可能です。
「考」の文字の下に、黒い円を作りました。
それを重ねて、パスファインダの合体の機能を使うと、もちろん図形同士なので、合体しました。
文字のアウトライン化によるデメリットの回避
文字のアウトライン化をした後に、文字の修正やフォントの種類変更などの必要がでると大変です。
もう一度、打ち直したりするのは、一行程度の文字なら良いのですが、何百文字という文字だと修正だけでどれだけの時間がかかるかわかりません。
そのような事態を回避するためには、ファイルを別名保存する事をおすすめします。
- まず、アウトライン化する前の状態でメニューの「ファイル」から「保存」をクリックして、現行のファイルを保存します。
- 保存したファイルを今度は、メニューの「ファイル」から「別名で保存」を選び、ファイル名の欄に違うファイル名を付けて、保存をします。
- 結果、2つの同じファイル(ファイル名だけ違うが中身は一緒)が出来ます。
片方のファイルを現状のまま残し、もう片方でアウトライン化すれば、修正が出た場合、文字の状態のデータが残っているので修正が楽になります。
文字のアウトライン化の必要性
文字をアウトライン化する事で、オブジェクトの状態にして加工ができるという点もありますが、DTP(PCで印刷物のデザインの割り付けなどの作業をする)では、印刷する前にトラブル回避の為にも行います。
印刷所にまわすファイルは、アウトライン化したファイルと使用した画像(もしくはアウトライン化とアウトライン前のファイルと使用画像ファイル)となります。
どんなトラブルが想定されるか?
フォントという性質上、使用するPCにそのフォントが入ってないと使えません。
その為、制作する側(自分)は、自分のPCに入ってるフォントを使用してデザインします。
しかし、自分のPCには入っているフォントが、他の人のPCにも入っているとは限りません。
自分が使ったフォントの種類が他の人のPCに入ってなかった場合どうなるか?
文字化けを起こします。
読めないような文字になったり、読めるけど全然違う書体になったりしてしまいます。 読めなかったり、書体が変わって意図しないデザインになったら台無しです。
まして、業務上の印刷ですと当然ながらクライアントがいる事なのでかなり重大な問題となります。
アウトライン化したファイルを印刷前に作るのですが、その場合「別名で保存」して、アウトライン前のファイルとアウトライン化した後のファイルの2つにを作りましょう。
印刷前に文字をアウトライン化する時の注意
ファイルにある文字すべてをアウトライン化しなければ、文字化けの可能性があるので、一文字でもアウトライン化し忘れるのを避ける必要があります。
- レイヤーのロックがはずれているか確認。
- メニューの「オブジェクト」から「すべてをロック解除」をクリック。
- メニューの「編集」から「すべてを選択」をクリック。
- すべてが選択された状態で、メニューの「文字」から「アウトラインを作成」をクリック。
ファイルにある文字が全てアウトライン化されました。
1の説明
1でレイヤーロックがかかっていると、3の「全てを選択」してもロックされたレイヤーにある文字が選択されないので、結果ロックされたレイヤーにある文字がアウトライン化されない事になるので注意。
2の説明
文字自体にロックがかかってる可能性があるので、すべてにロックがかかってない状態にします。 ロックのかかった文字があると、3の「すべてを選択」をしてもロックされた文字は選択されないので、アウトライン化されない事になるので注意。
3の説明
ファイルにあるすべてを選択する事で、選択しわすれた文字がないようにします。
4の説明
文字をアウトライン化しました。
アウトライン化したファイルを印刷所に入稿するだけの状態になっても気は抜けません。 入稿直前での文章の変更、修正が起こる事もあり得ます。 そんな場合、アウトライン前のファイルが無いと悲惨な状況になります。
アウトライン前のファイルがあれば、文字を修正して、もう一度アウトライン化して別名保存すれば済むのでスムーズに修正、変更が行えます。
※実際に印刷所に入稿する際は、それぞれの印刷所や広告代理店によって入稿する際のファイルの形式や条件は違う場合があるので、印刷所や広告代理店に確認してから入稿しましょう。
広告
この記事へのコメント